整体さろんMASUDA

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ストレスが免疫に与える影響

豊島区池袋 整体さろんMASUDA

スタッフの増田あやこです。

 

ストレスで免疫力が下がる。

という話は一般的によく耳にすると思います。

巷では、十分な睡眠をとる、お風呂で体を温める、発酵食品を摂取する等色々な方法が言われています。そのどれもが、身体にとって大事であり効果的ではありますが、それだけで十分とは言い難いと思います。

と申しますのも、当さろんで日々お客様を施術させて頂く中で、ストレスにより交感神経と副交感神経のバランスが崩れる事が、ご自身の身体に備わっている心身を健康に保つ力を大いに阻害している、と感じるからです。

 

そもそも、ストレスに曝された身体の中で、免疫機構はどんな変化が起こるのでしょうか。

交感神経系による免疫への影響を、免疫細胞の行動の制御という切り口で解説した文章があり、そちらを参考にご紹介いたします。

 

ご自身でお体を整える一助になればと思います。

 

ご紹介するページはこちらです。

交感神経系による免疫細胞の動態の制御 : ライフサイエンス 領域融合レビュー

交感神経系による免疫細胞の動態の制御
2015/08/19
鈴木 一博
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 免疫応答ダイナミクス研究室)
email:鈴木一博
領域融合レビュー, 4, e011 (2015) DOI: 10.7875/leading.author.4.e011
Kazuhiro Suzuki: Control of immune cell dynamics by the sympathetic nervous system.

© 2015 鈴木 一博 Licensed under CC 表示 2.1 日本

はじめに
 昨今“免疫力”という言葉をよく耳にする.そのとき,多くの場合において語られるのがストレスとの関係であり,“ストレスにより免疫力が低下する”というのが巷間の定説になっている.たしかに,ストレスが免疫の機能に影響をおよぼすことは文献的にも報告されている1).しかし,このレビューの読者の多くには,信憑性をもって受け入れられないのではないかと想像する.それは,ストレスがくわわると免疫系の活動性を表わすなんらかの指標が悪化するのは事実だとしても,ストレスが免疫系に作用する分子機構について細胞レベルあるいは分子レベルでの裏づけが十分になされていないためである. 精神的あるいは肉体的なストレスや情動によりもたらされる脳の活動性の変化は全身の臓器に対しさまざまな影響をおよぼす.その主要な伝達経路のひとつが交感神経系と副交感神経系からなる自律神経系である.交感神経系と副交感神経系はいずれも,脊髄から神経節に達する節前線維と,神経節において節前線維の終末とシナプスを形成し標的となる臓器に投射する節後線維から構成される.原則的に,交感神経系の節後線維の終末からはノルアドレナリンが,副交感神経系の節後線維の終末からはアセチルコリンが放出され,その受容体を発現する細胞に作用する.しかし,のちに述べるように,リンパ器官にはノルアドレナリンを産生するアドレナリン作動性神経は投射しているが,アセチルコリンを産生するコリン作動性神経はほとんど投射していないという解剖学的な特徴がある2).したがって,交感神経系は免疫系とより直接的なインターフェイスを形成していると考えられる.今日,神経系による免疫系の制御における細胞基盤あるいは分子基盤の解明をめざす研究者が交感神経系に注目するのはこのためである.このレビューにおいては,研究の歴史的な背景をふまえながら,交感神経系による免疫系の制御機構を,おもに免疫細胞の動態の制御という切り口から解説する.

上記を要約すると、「ストレスが免疫機能に影響を及ぼすことは文献的に報告されているが、ストレスが免疫系に作用する分子機構について細胞レベルあるいは分子レベルでの裏付けが十分にされていない。しかしながら、交感神経系は免疫系に直接働きかける機構がある。」ということです。

 

さて、まず人間の免疫は2種類あり、一つは自己ではない異物・異物によって異常をきたした自己の細胞を攻撃・処理する「自然免疫」、もう一つは抗体を用いて異物を排除する「獲得免疫」があります。

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人が感染症に罹った場合、まず「自然免疫」が働き、体内でウィルスの増殖を抑えている間に、「獲得免疫」が働き抗体を作り出し完治する。という流れになります。

 

さて、免疫に関わる細胞とはどんなものがあるのでしょうか。

 

 

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各細胞ごとに役割が違うことがわかります。

 

では、このうち交感神経の影響を受けるのはどの細胞なのか、また、どんな影響があるのでしょうか。

先ず、交感神経が優位になる時、好中球は血液から皮膚や筋肉など抹消組織に移行します。その一方でリンパ球はリンパ節にとどまりやすくなります。身体の活動性が高まり病原体と遭遇するリスクも高まる時間帯に、病原体を直接認識して殺傷することのできる好中球など自然免疫を担当する細胞が病原体の侵入の門戸となる抹消組織に配置され、リンパ球が獲得免疫応答のスタートの場であるリンパ節に集積する事は効果的な免疫応答を誘導し有利に働く事が推測される。

(交感神経系による免疫細胞の動態の制御より抜粋)

 © 2015 鈴木 一博 Licensed under CC 表示 2.1 日本

交感神経の影響をうけるのは、リンパ球。

リンパ球がリンパ節に集積するという影響を受けるそうです。

 

会社組織に例えるならば、営業は外回り、営業戦略を考える役職づきは会議室で全体を把握。といった状態でしょうか。

 

では次に、慢性的なストレスが加わった場合はどうなるのでしょうか?

交感神経系の興奮にともないリンパ節からのリンパ球の脱出が持続的に抑制されると,リンパ節のあいだでのリンパ球の循環がさまたげられるため,リンパ節におけるリンパ球の抗原特異性(レパトア)が固定され,本来は全身をくまなく監視すべきリンパ球の役割が損なわれる可能性がある.(中略)交感神経系が興奮した状態ではエフェクターT細胞がリンパ節から感染部位あるいは腫瘍組織へと移動できず,病原体あるいは腫瘍細胞を排除する過程に参加できないことを意味している.このように,慢性的なストレスによる交感神経系の持続的な興奮にともなうリンパ球の動態の変化は獲得免疫応答を弱める方向に作用すると推測される

(交感神経系による免疫細胞の動態の制御より抜粋)

© 2015 鈴木 一博 Licensed under CC 表示 2.1 日本

会社組織に例えるならば、場面に応じて営業と共に外回りをすべき役職づきが会議室に籠ったまま出てこず、社内外の状況を正確に把握できない。という状態でしょうか。

では、文中にあるリンパ球とは先の表の白血球のうち、どの細胞の事を言うのでしょうか。

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ウイルスへ対抗する細胞こそ、リンパ球なのです。

 

COVID-19はウィルスです。

交感神経優位の状態から、交感神経と副交感神経のバランスが取れた状態へ整えて、リンパ球が充分に活躍できる状態を整えていきたい所です。

 

交感神経と副交感神経のバランスのとり方については、別記事でご提案していきたいと思います。

 

また、参考に致しました 「交感神経系による免疫細胞の動態の制御」が掲載されております、ライフサイエンス 領域融合レビューでは、生命科学分野の研究成果を、その背景や歴史からわかりやすく紹介・解説してあります。

文中では短く抜粋してしまいましたが、結論に至るまでの実験内容など省いた部分こそ大変興味深い内容でした。

 

ご興味がありましたら、是非ご訪問頂き楽しい時間を過ごして頂ければと思います。

 

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

(増田あやこ)