【寝相でわかる疲労タイプ】土下座型
夜、寝る時に無意識にとる姿勢。
寝相から、今の身体の疲労部位や疲れを取るヒントを読み解くシリーズです。
さて、第2回目は、土下座型です。
原因 仙腸関節と腰椎の過緊張
リラックス法 入浴 深呼吸
おすすめ運動 四股立ち ヨガ・花輪のポーズ
軽いウォーキング バランスボールの使用
猫や幼児によく見受けられる土下座寝。
四つ足動物の猫や、身体が柔らかく小さい幼児ならともかく、大人になってこの姿勢で寝ると起きた後が大変です。
足が痺れ、顔にカーペットや畳の跡がつき、大量の涎が出てしまう…。
「一体何故この姿勢で寝たのだ。」と自問自答したくなる事もあるでしょう。
それでも、この姿勢だからこそ弛む部位があるのです。
〔この姿勢の意味〕骨盤が床と接していないので、特に仙腸関節が自由になります。
仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節であり、周囲の靭帯(じんたい)により強固に連結されています。仙腸関節(せんちょうかんせつ)は脊椎の根元に位置し、画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています(図1)。
日常生活の動きに対応できるよう、ビルの免震構造のように根元から脊椎のバランスをとっていると考えています。中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生します。
仙腸関節障害は決して稀ではありません。一般的に、出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いといわれますが、老若男女を問わず腰痛の原因となります(表)。図1:仙腸関節の位置と動き 表:仙腸関節障害の性別・年齢分布
トップページ|日本仙腸関節研究会 より引用
〔この姿勢になる人〕
・立ちっぱなし、座りっぱなし、歩きっぱなし等同じ姿勢を長時間続ける人。
仙腸関節は、3㎜~5㎜という小さな動きしかしない関節ですが、人間が二足歩行になった為腰と下半身に掛かる様になった負荷や、歩行や飛び跳ねた時の振動が頭や上半身に直接伝わらないよう、衝撃を吸収する役割を果たしています。
つまり、肩や膝の様に意識して動かしてはいませんが、常に働いている関節なのです。
関節にとって、同じ状態を維持するのは負担が掛かります。例えば、長時間同じ姿勢でいた後、あるいは一日中歩き回った後、動き始める時に膝や腰がギシギシする…などと感じた事があるでしょう。
仙腸関節も同じように、同じ姿勢や動作を続けると負担が掛かるのです。
・呼吸が浅い人、イライラする事、緊張する事が多い人。
心理的な事も原因となります。
イライラしたり、緊張したり交感神経優位な状態でいる時間が長いと、呼吸で使う横隔膜が緊張し固くなり、呼吸が浅くなります。横隔膜と仙腸関節は連動して動くので、呼吸が浅くなれば仙腸関節の動きも悪くなります。
〔疲労の取り方〕
最も大事なポイントは、「ゆるい運動」を心がける事です。
仙腸関節は、骨盤と背骨のジョイント部分です。万が一大きく動いてしまったら、背骨が骨盤から外れてしまいます。そうならない為、強固な靭帯で固定されており、強い力が掛かった時それ以上動かないようにロックが掛かる構造になっています。
ですので、ゆるく柔らかい力でする運動が適しています。
具体的には、軽いウォーキング、バランスボールに座っての上下運動。ヨガでしたら花輪のポーズや子供のポーズ。四股立ち等が良いでしょう。
また、脚を巡った血が通る大腿静脈がすぐ近くにあるので、下半身の冷えの影響を受けやすいので、入浴等で身体を温める事もお勧めです。
その際は、心配事、嫌な事を忘れてゆったりと深呼吸して、副交感神経優位な状態をつくると血の巡りもさらに良くなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(増田あやこ)